
防犯カメラとして使用されることが多いため、IPカメラ=防犯カメラのようなイメージを持っている方もいると思います。
IPカメラとはIPネットワークを介して画像を閲覧できるカメラ、と考えて間違いないでしょう。
一旦話は脱線しますが、ネットワークカメラ=IPカメラも成り立ちません。ネットワークカメラとはもっと広義に定義され、IPカメラはネットワークカメラの一部です。
具体的な例では、スポーツ競技場で陸上競技選手と並走してライブ画を配信するカメラはネットワークを介して遠隔操作されますが、そこで使用されるネットワークはIPネットワークとは限らず、画像自体はネットワークを通りません。よってIPカメラではないネットワークカメラとなります。
話は戻ります。防犯カメラとは?
ネットワークカメラとIPカメラの例のように機械装置としての明確な定義はありません。
あえて言うなら、公益社団法人のJSSA(日本防犯設備協会)という組織があります。ここではRBSS(優良防犯機器認定制度)という制度を設け、防犯カメラ目録を公開しています。
この目録に掲載されているものが防犯カメラと呼ぶことができる、と私は考えています。
必須事項として条件づけされている機能を抜粋すると、
- フォカース、画角調整機能の有無
- 逆光補正や露出調整機能、ホワイトバランス調整機能の有無
- 解像度や最低被写体照度
などが挙げられます。画質調整系の機能をある程度は持たないと防犯用とはみなされない傾向です。アナログかデジタルか? IPカメラか否か? はあまり関係ないようです。
上記の目録を見た方は意外に対応するカメラの種類やメーカーが少ないことに気づかれると思います。
さらに、同じメーカーの製品でもメーカー側では防犯用途とそれ以外では区別しています。
具体例では、パナソニックではWVで始まる機種以外は防犯用と位置付けていません。
WVで始まるシリーズは監視・防犯システムというジャンルの下に製品が紹介されていますが、個人向けホームネットワーク商品などでは、HP上で本システムは侵入や盗難などを防止することを目的とした製品ではありません。と明記されています。
防犯という言葉をどこまで広げて考えるかは各個人の考え方次第だと思いますが、カメラの購入や設置を考えている方は、
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設置する範囲で何かしらの変化があった場合、何らかの知る手段が欲しい。いわゆる見守り。
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何か起きた場合に証拠の画像をしっかりと確保したい。こちらが防犯。
ご自身がどこまで望んでいるのかによって、このような尺度でのカメラの選択もあると考えて良いと思います。
メーカー側では防犯を意図しない製品を購入して、これでは防犯用にはちょっと物足りない。。。
みたいなことは売る側にも買う側にも損な結果でしょう。