
まずは必要なソフトウエアを準備していきます。
と、ここで重要な事実をお知らせしておきます。
Windows PCがないと何もできない可能性があります!
“できない”と言い切らず、”可能性がある”と濁したのは、DHCPで運用されているネットワークに接続すれば画像を見ることだけは可能だからです。ただし、カメラの設定はできません。購入のページで述べたとおり、個人向け製品と比べると画質設定など設定項目は多岐に渡りますが、これは全てWindows PCからのみ設定可能となります。
プロ向け製品を日頃扱っている人の場合、IPカメラの運用にはWindows PCが必須なことは暗黙の了解みたいな感じで理解しているかもしれませんが、価格的な部分でこのカメラを購入した人の中にはここで出鼻をくじかれた方もいるのではないでしょうか。
国内メーカーの製品の場合、設定に必要なソフトウエアや視聴ソフトがCDなどで同梱されている場合が多いのですが、そのような類のものは見あたりません。このあたりのコストカットには潔さを感じます。本体の価格にしっかりと反映されています。
URLが記載された紙が一枚、必要なソフトウエアはここからダウンロードしてください、とあります。
記載されたURLにアクセスすると、VMS、NVRなどがずらっと用意されています。
海外メーカー製品なので当然のことですが英語のサイトです。日本語の説明はありません。
関連ソフトウエアが8個、ドキュメントが3個あります。この中で最低限必要なものというと、何もありません。
あえて挙げるならばGV-IP Device UtilityとQuick Start Guideぐらいでしょうか。
GV-IP Device Utilityは物理的に同じネットワーク内に存在するGeoVision社製カメラを探してIPアドレスなど最低限の設定を行うツールです。ただしこれもWindows PCのみ対応です。
前置きが長くなりましたが、IPアドレスの設定を行います。
Quick Start Guideによると、このカメラの初期動作としてDHCPとなっていますので、DHCP環境の場合はGV-IP Device Utilityは必ずしも必要ないと思います。カメラに設定されたIPアドレスを確認したい場合や、このカメラには固定IPアドレスを設定したい場合のみ使うことになるでしょう。
DHCPサーバがいない環境で固定IPを設定したい場合はGV-IP Device Utilityで設定します。Quick Start Guideによると、DHCPサーバがいない場合は、192.168.0.10がカメラに設定されるとあります。ここで複数台のカメラを設置すると、192.168.0.10のアドレスを持つカメラが複数台存在することになってしまうので、本ツールにてユニークなアドレスを個々に設定する必要があります。
GV-IP Device Utilityを起動すると同じネットワーク内に存在するカメラの一覧が表示されます。
一覧からカメラを選択してクリックすると、”Webページ“と”設定“の選択肢が表示されます。
IPアドレスを変更したい場合は”設定“を選択します。
ログイン画面が表示されるので、ユーザ名とパスワードを入力し、OKをクリックします。
ここで1つ注意が必要です。どのようなネットワークでも物理的に接続されていれば一覧に表示はされるようですが、アドレスの整合が取れていないとログインできないようです。
例)192.168.1.XXXのネットワークで、カメラのアドレスが192.168.0.XXX、サブネットマスクが255.255.255.0のような場合
この場合は一覧からカメラを選択した後、ダブルクリックしてみましょう。IPアドレス設定画面が表示されます。
* プロ向けカメラの場合はインテグレーター(いわゆるSIer)の方が様々なツールを駆使して設置の準備をします。メーカーからするとこのようなツールはあくまでおまけ的な提供になるので、あまりユーザフレンドリーには作られていないようです。こういうことからもプロ向け機種の匂いがします。
ログインに成功すると、IPアドレス設定画面が表示されます。変更したい部分に入力しOKをクリックします。
これでカメラが再起動して新しいIPアドレスに変更されます。
ちなみにカメラ一覧画面で”Webページ“を選択すると、ブラウザが起動しカメラ画像表示画面となります。これについては画像表示編で説明していきます。